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おすすめテキスト~スケール、アルペジオ、カデンツ練習

今日は、ピアノの練習に取り入れることで様々なメリットがあるスケール(音階)、アルペジオ(分散和音)、カデンツ(和声進行のひとかたまりのことで、終止形、ケーデンスとも言います)のテキストを取り上げます。音を覚えるまでは大変ですが、キープ奏法の練習用にもいいですね!

 

こちらのジャンルに関するテキストは、昔からかなり多くの種類が出版されてきているため、私も一部しか存じておりませんが、手元にあるものの中で、普段からレッスン内でおすすめしているテキストを3冊に絞りご紹介いたします。

 

バスティン スケール・カデンツ&アルペジオ

 

テキストの種類が大変多いため、間違えそうになってしまうこともあるバスティンシリーズですが、この本は各シリーズから独立しており、バスティンを使っていない方も含めておすすめできます。

調性ごとに2オクターブのスケール(後述のハノンは4オクターブ)、カデンツ、アルペジオと1ページずつシンプルにまとまっており、見やすいのがいいですね。テキストの冒頭には1オクターブのスケールも載っておりますが、個人的には少し指使いが独特に感じますので、レッスンで使う際には2オクターブの指使いと揃えることを推奨しております。総ページ数も短く、3冊の中で一番シンプルにまとまっていて使いやすい本だと感じています。

 

全訳 ハノンピアノ教本

 

日本では特に有名なテキストですね!

スケール、カデンツに関しては39番、アルペジオは41番~が該当します。バスティンの2オクターブに対し、ハノンのスケールは4オクターブと長いので、目的や好みに応じて選択されるといいかと思います。

カデンツの音使いは様々な種類がありますが、知名度的にもハノンの音で覚えていらっしゃる方が一番多いのではないかなと推測します。昔から使われている定番テキストだけに安心して選べる1冊ですね!(ハノンに関してはIMSLPでもダウンロードできますし、他にも各社から翻訳、編集された版が出ておりますので、気に入ったものを選ばれるのがいいかなと思います。ちなみに原題は、「60の練習曲によるヴィルトゥオーゾ・ピアニスト」です)

 

ピアノランド スケール・モード・アルペジオ

 

樹原涼子先生の人気ピアノ教本ピアノランドシリーズですが、こちらの本は先述のバスティンと同様に独立したテキストとして出版されております。

この本の特徴としては、24の長短調に留まらず、イオニアン(アイオニアン)からロクリアンまでのモード(旋法)、ディミニッシュ(ト)スケールやホールトーンスケールをはじめその他スケールの紹介があり、ジャズやポップスにも親和性がある点が挙げられるかと思います。その他、コードネーム一覧表も詳しいですし、各モードが使われている曲の紹介がある点も親切ですね!

特にバスティンとの比較においてはかなり盛りだくさんな内容ですので、店頭で見比べてみるのもおすすめです。

 

以上、これら3冊に限らず、気に入ったテキストがみつかりましたら是非練習に取り入れてみてください♪