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キープ奏法〜テーブルの上で弾いてみる

今日は、キープ奏法のタッチや指の状態を確認するためにおすすめの「テーブル(机)の上で弾く」練習方法をご紹介致します。

 

普段のレッスンでは、タッチに迷いが生じた際の確認として、左右それぞれ反対の手のひらの上、もしくは膝の上でピアノを弾く時と同じように随時弾いてみることを推奨しております。これはステップ1のタッチのキープができているかをチェック(バウンドやラインのぶれが起きていないかをチェック)することが目的ですが、時にはさらに発展させて、ピアノから離れテーブルの上で曲全体なりある程度の長さを両手で弾いてみることもおすすめです。なお、そのままだとテーブルに傷が付いてしまう場合もございますので、私は少し大きめのタオル等を敷いた上で行っております。

 

この練習の目的は、上下に動く鍵盤が無いところで弾くことにより、純粋にタッチや指の状態を確認し易くし、課題をみつけることです。私はキープ奏法の柱をステップ1、2の二つに集約しておりますが、これはタッチのキープ(ステップ1)と、指の強さ(ステップ2)にポイントを絞っているとも言えます。もちろん実際の演奏に於いては曲の流れが身体に入っているか等も大変重要ですし、細かなポイントは他にもございますが、その他の諸問題はとりあえず置いておいて、必要以上に難しく考えてしまいがちなピアノ演奏のポイントを基本的に2つの柱のみにすることは多くのメリットがあります。

 

ピアノの練習で上手くいかない箇所が出てきた時、原因が分からないとどんどん難しく考えてしまいがちです。私自身が悩んだ経験だけでも、ゆったりとした箇所で歌うように弾けない時は「イメージが浮かばない、自分にはセンスがないのかな…」と考えてしまったり、トリルで泥沼に陥った時には練習すればするほど指が引きつりさらに弾けなくなる…、音階がスムーズに弾けない時は、指またぎ、くぐりの説明は色々あるのでどうしたらよいか分からない…等、挙げればキリがないほどたくさんの壁がありました。

 

ですが、このような課題のほとんどは個別の解決方法を難しく考える必要はなく、ステップ1、2のどちらか、もしくは多くの場合2つのポイントの組み合わせで説明が可能です。例えば、上手く歌えない時は主にステップ1の問題、音階が上手く弾けない時には主にステップ2の問題(私の場合は1(親指)、2(人差し指)の指が弱い等)といった具合です。

 

長くなってしまいますので今日はこの辺までに致しますが、時おりピアノから離れてテーブルの上で弾くことにより色々な発見ができることが多々あります。ピアノに向かい上手く弾けない箇所の多くは、テーブルの上で指を動かしても何かしら思うように弾けないことが殆どです。そんな時にはステップ1、2どちらに課題があるのか、はたまた両方か、是非チェックしてみてください♪