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キープ奏法~「脱力問題」①

遅くなりましたが、皆様明けましておめでとうございます、今年もどうぞよろしくお願い致します。

新型コロナが心配な日々が続いておりますが、今年も1日1日を大切に、より良い演奏、レッスンを目指して励んで参りたいと思います。

 

そしてこのブログも、キープ奏法に興味をお持ちの方への参考として、また、直接私のレッスンを受けてくださっている方への補助としてなど、幅広い方に読んでいただける内容にできるよう努力致します。

 

さて、今日が今年最初のブログですが、当初予定していたレッスンについてのテーマをまとめるのに想像以上に時間がかかってしまい、今回はキープ奏法の実践において使いどころの難しい言葉である「脱力」という言葉を切り口に書き始めたいと思います。

 

この「脱力」という言葉はピアノ奏法について語られる際によく出てくる言葉ですので、気になっておられる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。私自身、最初に自分の奏法に行き詰まり悩み始めたのは大学4年生の頃だったのですが、当初、最も気になっていたことの一つが脱力についてでした。

 

今回ブログを書くにあたりまして、題名を「脱力問題」としましたが、脱力という言葉を使う難しさ、そして私が考えるキープ奏法における脱力についてまとめて参ります。

 

まず、「脱力問題」の一つ目は、ピアノ奏法において脱力という言葉が何を指しているのかが曖昧だという点があります。と申しますのは、脱力が指す対象が、指、手首、肘、肩、etc.…というように人それぞれ捉え方が異なるように感じられ、対象がはっきりしていなければ、そもそもよくわからないという点があります。

 

この点に関しまして、最初にはっきりさせておきますと、私が基本的にキープ奏法において脱力という言葉を使う場合は、キープ奏法のステップ1、2と先日のブログ「タッチについての考察」で扱っております「手の中、又は指自体」のみを指しております。

 

と申しますのも、例えば手首や肩等に力が入っていてもいなくても、キープ奏法自体に直接は影響しないのです。もちろん、例えば肩を無理に上げる必要は無いですし、無駄な力をいれていると、今後長くピアノを弾いていく上で悪影響があると思います。しかし、キープ奏法自体には、例えば手首も肘も肩も直接的に影響を及ぼさないという点は重要かと思います。私はレッスンの中で時折、極端に肩や手首を上げて弾いても、同じタッチのままキープ奏法ができるということを確認のため聴いていただくことがあります。

 

そして、この次こそがキープ奏法における「脱力問題」でより重要なのですが、長くなってしまいましたので、今日はここまでにして、次回脱力問題②としてまとめたいと思います。